パン子 60cmペーパークラフト作ってみた。


オリジナルキャラクターです。


ペーパークラフトを設計する人にとって、版権キャラを作るという事は、とても魅力的です。
自分のお気に入りキャラを比較的安価に、しかもスピーディに作れてしまうのです。

ペーパークラフトは本来、その展開図を配布して、皆と

組み立てる楽しみを共有する


為のものです。


基本的に版権キャラはその展開図を配布したり、売ったりする事が自由にはできません。

しかし設計する人はそこへ大きな情熱を注いでおり、並々ならぬ創意工夫を
している事から、つい、「対価」を求めがちです。

デジタルペーパークラフトの性質上、容易にネットで流通させる事が出来る上、
生産コストはほとんどかからず、いくらでも複製可能なデータコンテンツとして、

大きな可能性が有る世界ともいえます。



しかし、線引きは必要です。

出来るから。といって何を作ってもかまわないわけではないし、
何を売っても良いわけでもありません。

今、この辺がギリギリのレベルに来ていると思います。

自分なりの解決策、また啓蒙として

オリジナルキャラに技術投入をしてみる



という流れを作ってみます。

これは決して2次創作を否定するものではありません。

ただ、ペーパークラフトの将来的な展望を考える上で必要な模索だと思うのです。


と、息巻いてみたのはいいけれど・・・


自分でキャラクターを作るのは容易ではありません・・・





まず素体を作ってみます・・・。



ご存知の方も多いと思いますが、近年、アジアのペーパーキャラクターは
ものすごい勢いで進化してきています。

フィギュアか?これ、というくらいクオリティが高いです。

自分はいくつかのクリエイターサイトを毎日巡回していますが、
彼らの新作が出来る度にため息が出ます。
ポリゴン数が少なく、それでいながら魅力のある造形となっているからです。

自分の目指す所も最終的にはそれなのですが・・・・。



もっとも、なぜあちらのペパクラがこうも進捗著しいかは
著作権管理に対する意識の低さがもたらす

自由で活発な交流環境が


そうさせているのですが・・・

うらやましくもあり、そうではいけないハズなんだけど、微妙です。



さて、・・・・こんな事もあろうかと、以前に作りかけていた素体を使います。





誰でも作り易いモデルを目指します。



面数を少なく、複雑なギミックを組まないようにします。



テクスチャをどっかのキャラクターのまま使っていますが・・・

その気になれば超ローポリでもけっこういけそうです。

このままクリーンナップして適当に 「しな」 を作ればもう完成・・・?

と、言いたい所ですが、

ちょっと待ってください。








果たしてそんな簡単でいいのでしょうか・・・・



確かに、これはこれで作り易いという事で需要はあるのかもしれない・・・・。


でも、なにかが違う

そもそもS.ナントカいう人が既にA4サイズ2枚で作ったって言って

ドヤ顔していたし・・・



−単純な構造で皆が楽しめるものが優れている−それは分かる。

それが多分、ペパクラの最終到達点。



だが、しかし



そこに到達する前にまだ、自分はやりきれていない事があるのではないか。

もっとなにか、自分の中で解決していない何か・・・




今まで見たことも無いような、紙で作る限界みたいな・・・



・・・そう、これだw



リアルとデフォルメの融合



やりたい事はわかるけど、技術、センス、経験が全く足りてない

不気味の谷のウマシカ



これをクリアしてこそ、魅力のしっかりとしたキャラクターを作れるはず

一見してキモイ・・・・むごたらしい・・・そんな気がする。

しかし、それを乗り越えたいんだ。



てなわけで、安易な単純モデルはやめて、複雑化する方向になっていきます。

毎回この流れですけど・・・ね



てことでまず、眼球を入れて人に似せます。これは等身大にした場合に
リアリティが出せるので、うまく表現できるようにしたいです。


アニメキャラの頭でっかちをそのまま大きくしたらヤバイ事になりますからね。

生身の人間っぽさを表現します。



<ドヤー



ポリゴンの多さはとりあえず無視。造形的に何が必要かを見極めます。



カワイイとはなんなのか


人間っぽさとはなんなのか。



眼瞼の形状をあれこれ試します。2D絵では解決しない作業です。

この段階で眼球を凹ませて、テクスチャを貼ることで

ためしに追視モデルを作ってみました。



ニコニコ動画 ペパクラ 追視モデル組み立てテスト


この動画によって、顔に大量のポリゴンがあっても、それなりに組める事が確認できました。

ディズニーアニメ、日本アニメーション、ドール、フィギュアなど
3次元での各顔パーツの処理方法を掴む為

よく見て勉強します。





アニメ絵は目が離れていますが、等身大にした時メガネが配置できるか、とか・・・

上から見た時、伏せ目まつげが表現できるかとか





上の2つの画像が、ディティールの差こそあれ、同じものであると感じれば成功です。

しかし、構造的な成立度では上の方が段違いに複雑なのです。



一番苦労したのは


目の開き方で、中に球状の目玉が入っていながらも

隙間が出来ないようにすること、そして左右に振って見た時に
マンガ・アニメ調の雰囲気が残せるか。という事でした。


これは

ドールの方法論が参考になりました。


(実際に目玉が入っているので)

具体的には目じりの三角州に実際の人間と同じように肉で埋める事で隙間を防ぎます。
また、マンガ・アニメ調の雰囲気を残す為、大きな目玉は顔サイドまで回り込んで
切れ上がるまぶたで横幅を稼ぎます。

フィギュアだとこの辺はアイプリントとの兼ね合いで無理なようで、顔面を平坦にして
角度限定か、横髪でお面の薄さをカバーするといった手法が多かった感じです。

他の人の作るペパクラも大体後者かな・・・。正面からテクスチャを貼るとそうなります。



目玉のテクスチャは重要です。これ一つで雰囲気がガラっとかわってしまいます。

ヒトの虹彩からアニメ調、色々試しましたが、最終的には上のような状態で落ち着きました。

虹彩表現を残しつつもリアルになりすぎず、黒目主体でも清涼感を失わないように
しました。

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パン子 高解像度ギャラリー<Pan-ko Gallery>




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