モデリングをしながら分割の仕方も考えていきます。

全ての構造物をひと繋がりで作ってしまうと、後でパーツごとに分けるのが面倒になります。

何故パーツごとに分けるかというと、作る順番をパーツごとにしておかないと、

展開図がみんな繋がった状態では、裏側に入り込んだりする所が作れなくなってしまうからです。



顔、耳、こめかみ、後ろ髪・・・と、分けて作って行った方が良さそうですね。

どこで切って、どのパーツごとに分けておくのが良いのか、順序も考えながら

作業していきます。



髪の毛はロングヘアーキャラクター特有の問題があります。



自分は「遠い閉じ構造」などと言っていますが、複雑な凹凸を経た後に髪の毛を閉じる場合は

途中の誤差がじわじわ溜まって来て、最後に上手く閉じられません。


かといって、紙を何枚か垂らしてくねらせるような簡易的なペラ紙構造にしてしまうと、

ここなちゃんの、あの特徴のある髪型をきちんと再現出来そうにありません・・・・


そこで、閉じ構造とペラ紙構造の中間をとってみます。

大きなモールドされた二つの板が前後で垂れ下がってる感じです。サイドは内側まで

背後の髪の毛が 回り込む事によって、スキマを隠す。というものです。



なんだ、そんな事か。って思うかもしれませんが、髪の毛の裏側問題は

ペパクラでキャラクターを作る際に必ず構造を意識しなければならない

事なのです。




あと、小さなこだわりという点で下図のような後頭部のでっぱりを作ってみます。

つむじ辺りにある荒ぶる乱れ髪の表現です。

これは設定画でも本編でもちゃんと描かれる大事な箇所で、チャームポイントの一つです。





ふみえーのモデリングのクセはそのままお絵かきのクセですが、



毎回ちょっと腕が短めになってしまいます。

人間は手を広げると大体身長と同じくらいになるものですが、手のひら一個分足りないのですねー。



ちょっと肌色自粛で色を付けておきます。

プロポーション的にはすこしお腹の出た「くたっとした」感じにします。

なぜそうするのかは、「そう感じた」からです。ここなちゃんの立ち絵はなんとなく地味

姿勢・・・というか、あんまりビシっとして力の入った立ち方ではないですよね。

ふにゃふにゃ、もふもふ、ぷにぷに。 もきゅううううう って感じなんですよ。



華奢なたたずまい、ということで細く、軽く・・・このフィーリングをなんて呼んだらいいんでしょうね

誰か教えてください・・・




で、衣装を作ってみます。

衣装の下に隠れる素体部分はどこかで服のポリゴンと結合して、要らない部分は消去します。


とりあえず、スモック(最近ではチュニックというのか)にします。

ここなちゃんといえば、この衣装ですね。





首まわりの丸っこい飾りが可愛らしいです。ここは立ち上がっていないといけないと思い、

別パーツにしました。

大きさや形が微妙に難しく、イメージが合うまで何度もテクスチャーを描き直しました。

首周りに視線が集まる関係で鎖骨の表現もテクスチャで描いておきます。



ボタン周りから、胸下のギャザー表現。



袖の裏側はそのまま紙の裏になっていましたが、

これはその後のポージングでどうしても裏の白が見えると目立つ事が分かったので、最終的には

二重の貼り合わせにする事にしました。



スモック裾部分のフレア

生地的にはヒラヒラだけども、本編の絵でも割と土管な描写だったので、そのまま作っちゃったけど、

後になって考えてみると、スモックの膨らみ部分に明確なウエーブを

作っておけば良かったかもしれない。



組み立て時、適当にフニャフニャ加工すればいいなどと思っていたけど、やっぱり

実際は下のフリルがガチガチに固まってしまって、あまり変化が付けられませんでした。


手。



手のひらは細かいパーツの寄せ集めなので、組み立てが面倒になります。

ちょっとでも作成を容易にしようと、内側の手の部分の指を省略しています。



ざっと、しなを作ってポージング。



ここなちゃんっぽいポーズは案外限られます。

大きくは動かしていないけど、全体の関節を微妙に動かしています。



大きさは40cmを想定しています。これ以上大きいと強度が足りなくなってきますし、

小さいと 細かいところが作りにくくなります。

大きなサイズで組み上がるという事は、見た目からしたインパクトにとっても重要な事なのです。



なにかを訴えるようなポーズなので、実際に組み上がった時を想定し

オーナーとちゃんと目線が合うようにしましたw



自立についてはあまりこだわりはないのだけれど、

ペーパークラフトでキャラクターが自立する。という事はちょっとした評価基準に

なってるみたいなので、なるべく自立しそうなものにしておく。



本来は中身の詰まっていない物体なので、重心もクソもないんだけどね。

ポージングは維持しつつも、紙の量から推定したウエイトの中心位置を掴んでおく。






アニメ基準なので、シューディングがそれに近くなるMMDに変換して眺めてみます。

あまり言うと大袈裟だけど、なるべく生きているような臨場感や力の入りを表現できるようにします。



いろんな角度からペロペロして無理が無いか、見せ所は作れているか。などの検証をする

監修中っていうと、かっこいい。



テクスチャ自体にアニメ調な影を描き込んでありますが、MMDだとセルフ影といって、

自分自身で影が落ちるので、実際に作った時の影の落ち方が確認できる。



ただ、左足を引いただけではこういう「立っている感じ」は出ないので、

重心位置の把握や体のしなを作るには、お絵かき能力が必要になって来ます。

3Dでも結局はデッサンだし、絵を描けるという事は大事なのですね。



経験上、顔の表情は濃いくらいの線で描くのがいいという事が分かってきました。

アップで見ると濃い感じがするけど、実際に全体が見渡せる位置から見ると、

繊細なタッチはつぶれて見えなくなってしまいます。特に口は輪郭を失ってしまいます。

よりアニメチックな見え方をさせる為に、オブジェクトの外側に輪郭線が出るようにテクスチャを

工夫しています。



境界にフチ取り線を引くやり方はテクスチャに表現の大部分が乗らざるを得ない、デフォルメの

ペパクラからヒントを得てやってみました。

面には輪郭線を描く事は出来ないので、必然的に突端の多くなるペラ紙構造に向きますが、

より立体感が増すので、アニメ由来のキャラクターを作るには有効な技術でしょう。



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