サルゲッチュ3 サヤカ 50cmペーパークラフト作ってみた。


プレイステーション2ゲーム サルゲッチュ3に登場するキャラクター

サヤカを作ってみました。

これはだいぶ前に子供用に買ってきたゲームなんですが、長い間
自分ではプレイできずにいて、放ったらかしとなっていました。

ふとした事から急に思い出してプレイしてみたら、これが面白くて、面白くて・・・。

とにかく、キャラクターがカワイイ。

アクションもサンプリングの音声もかわいらしくて、これはスタッフ
イイ仕事をしています。  (*´д`*)

当時も一部の大きなお友達には人気があったようですが、さすがに今では
下火となってしまっています・・・。 しかし

カワイイは正義。


気に入ったキャラクターは知名度があろうが無かろうが、作ってみるのであります。

まずはツールを使ってポリゴンのモデリングをします。



ポリゴンモデリングとは

コンピュータ上のツールで3角形の板(四角でも可能ですが) を
3次元の空間上に並べていき、立体に見立てていく作業の事をいいます。



私は六角大王SUPER3LE というソフトを使ってモデリングをしています。



これがペーパークラフトの元となるデータになるわけです。

本来、ペーパークラフトとは、職人達が長年の経験や勘を頼りに
平面の紙からパーツを切り出し、思い描いた像へと組み立てる事をいいますが
最近のペパクラ事情はちょっと変わってきています・・・

デジタルペーパークラフト

と、いうものが主流になりつつあります。

あらかじめ、このように完成像をコンピュータ上で3DCGによって作ってしまい、それを
ツールを使って展開し、展開図を紙に印刷するというやり方です。

展開図作成そのものの試行錯誤や苦労はほぼなくなり、 作業は比較的短時間で終了します。
人の力で行っていた展開の妙を機械で行ってしまう為に、なにか風情的なものが
失われたような気もしますが、代わりに設計を志す人達への敷居が低くなったことや、

構造の精密化、構築できるイメージの世界に、 より純粋に労力を費やせるようになったという
良い点もあります。

3Dデータから展開図を作るには別途、

「ペパクラデザイナー」という

ソフトを使っています。

最初から結果をデザインしているのですから、出来の良いものが作れるという訳ですね。

話をポリゴンに戻すと



サヤカの独特なプロポーションを再現するのには苦労します。



胸部は小さく、肩幅はほとんど無く、それでいて下半身はどーんと大きく。

靴や手、ツインテールなどの揺れる部分はかなり大きめ。

これは好みもあるのでしょうが、アクションをプレイヤーに理解させながらも
画面の中に体全体を収めるのに都合の良いプロポーションとなっています。



独自のバランスを保ちながらも、すごく可愛く見えるということで、

よく考えられたデザインだなあ、と感心してしまいます。

お腹のふくらみ具合や、足の短さ具合がなんとも・・・やりますね。(意味不

これが後のケロロ夏美テイストに繋がって行くワケですw



んで、色々な角度から眺めて、破綻しないような形に調整していきます。


紙を工作するという技術も確かに必要ですが、モデリングの良し悪しが
出来の良し悪しを左右するのがデジタルペパクラです。

モデリングにはたっぷりと時間をかけていきます。



仕上げに出来たポリゴンモデルに絵を貼り付けます。

貼り付ける絵の事を 「テクスチャ」 といいます。
絵はこれまた別に絵を描くツールを使用して作成しています。

主に「フォトショップ」というソフトを使って貼り付け用の絵を描いています。



テクスチャを貼ると見違えるように質感が上がります。

当然ですが、貼り付けた絵はポリゴンの切り分けによって展開図にも反映・印刷されるので
後で色を塗るような事は基本的にありません。



ポリゴンモデルに絵を貼る方法は平面の絵を正面からまっすぐ貼る方法と、
ローラーのように回り込んで貼り付ける方法の2通りがあって
場所によって使い分けています。

顔は正面からの平面貼り付け、ツインテールは回り込みで貼られています。

この辺はポリゴンをモデリングするツールによっても違うかもしれません。
平面で見る絵と立体に貼られた絵では見え方が大分違うので、

毎回苦労しています・・・



切り込み線をいかに目立たないようにして作るかが、

実際の組み立てでのテクニックとなります。



他にも接着面の作成、パーツ分けや強度の維持など、
ペーパークラフト用のポリゴンモデルならではの工夫を施します。

主な構造体が出来上がったら、いよいよお気に入りのポーズをとらせます。


「あらよっと」・・・



ここの「ポージングをして」という部分では、実は色々な事が起きています。

まず、関節を動かすと、内側のポリゴンは小さくなり、下手すると潰れてしまいます。
潰れてしまうと実際に紙で作成する事ができなくなります。

こんな感じ




外側のポリゴンは引っ張られてしまい、関節に厚みが無くなってしまいます。
下手をすると内側に引っ張り込まれて、現実には有り得ない構造ができてしまったりします。

こうした事が起きない様にあらかじめ関節部分には頂点を増やしたモデリングを行い
ある程度の動きを予想したものにしておかなければなりません。



手の平をこの位置に持ってくると肘がどの辺りにきて、関節的にはどういう向きで
力がかかるのか。とか

これくらいの質量のものを持つと、どれだけカウンターウエイトが発生して、それは体のどこが
担当するのか、とか・・・

一見単純なポーズに見えても、それが自然に見えるにはどうしたらいいかというような事を
実際に同じポーズをとって研究していますw



ありがちな棒人形ではなく、ちゃんと重さ、力の入りを感じるポージングをしたいですよね。

自分以外にも沢山・・・(?)のデジタルペパクラ設計者が居て、
それぞれが自分のやり方で設計の仕方を模索しています。

コレといったセオリーはこのジャンルにはまだありません。
通った所が道になっているような状態です。

ノウハウが設計者の個性としてこれから色々出て来るのも興味深いところです。




さて・・・・作ったポリゴンモデルをペパクラデザイナーで展開して印刷します。

ここからは実際に作って行きましょう。

モニターの中にしか居ないキャラクターが目の前に現れる不思議。

フィギュアでもドールでもない、自分で組み立てる楽しみ。

これらはまだ始まったばかりの新しい楽しみです。

体験してみませんか。

展開図を公開しています。ダウンロードして作成にチャレンジしてみてください。


サヤカ 展開図ダウンロード ←P977.pdo (3493KB

↑ PDOファイル(展開図)がダウンロードできます。
さらに、以下のツール、ペパクラビューワーをダウンロードしてPDOファイルを読み込んでください。

一部機能はライセンスを購入しないと使えませんが、印刷と組み立てガイドで使う分には

無料でそのまま使えます。(これがないとまず組み立ては不可能です。)

使い方を覚えてください。

←PDOファイルが読めます。

←English Ver

これが理解できない方は諦めてください・・・。




ここからの写真は組み立てのポイントなどを解説していきますので、

参考にしてください。

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