ここなちゃん 富士登山服バージョンを作ってみました。

モデリング途中のうんちくはスモックバージョンで語ったので、今回は完成した3Dモデルで
個別に注力した点などを解説します。

組み立て記事は2ページ目からです。興味を持たれた方は
展開図をダウンロードして、組み立てに是非チャレンジしてみてください。



ここなちゃん登山服バージョン。いいですよね。やっぱりこの衣装とポーズは外せません。



登山服バージョンは、ふみえーが作ってきたペパクラの中でも一番設計が難しいものになります。

テクスチャも普段のモデルとは段違いに多いですし、装備の多さ、そして配置の難しさがありました。

ペパクラは省略が大事ですが、ヤマノススメの場合は特に山登りのお話ですし、
登山の装備については細かく設定され、描写されています。

張り合うわけではないですが、その心意気にはこっちも乗っかって、がんばりたいと思います。



まず、金剛棒が大変でした。

焼印の特定と図柄の確保にけっこう時間がかかりました。同じ焼印のものでも
毎年デザインを変えている処もあったりしてね・・・。

最初は集めた焼印の写真からデジタル加工して貼り付ければいいやー。なんて思っていましたが、
どうしても均質なものにならないので、結局一つ一つ手書きになりました。

アニメはこの他にも図柄が出てきたようですが、俯瞰の金剛棒のカットでは見当たりませんでした。



そして、もっとも手間がかかったのは、ジャンパーのテクスチャー。

ローポリモデルな事もあって、なかなか歪まずに線を入れることが出来ず苦労しました。

今回はよりアニメチックになるように、服のシワや落ちる影をテクスチャに直接描いています。

こうしたエフェクトをテクスチャに入れるのは、ふみえーのモデルでは、ここなちゃんが初めてかもしれません。



華やかなフリフリ衣装に比べると一見地味な登山服ですが、ハーネスやバックルなど、細かい設定を
ちゃんと描いていかないと、それっぽくなりません。

ハーネスの上に胸の線がちょっと見えるとか、胸ポケット?のラインの長さ、幅、位置など、本編では
微妙にバランスしているらしく、外すと服のムードが合わなくなります。

アニメを見ながら、配置のバランスをきちんととるのが難しかったです。



つい、やってしまいがちな胸がどーん、お尻がバボーン。な感じの短絡的な絵にならないよう、注意します。

実際に触った時、中がどんな感じに詰まっているか分かるような感じというか・・・

脳内でさわさわして、質感重視なモデリングにします。


一つ、感動した事があります。



図では丁度、「安産の神」の所に手がきますが、これは、たまたま手を伸ばしたらここへたどり着いたんですが
気になってアニメを確認してみたら、なんと、ドンピシャ。

ちょっとうれしくなりました。

こんな所まで、アニメではちゃんとスケール感が統一された作画をされているんですね。
当たり前の事かもしれませんが、ちょっと感動しました。



腰部分のバックルとベルトはジャンパーに密着しているので、浮いているとおかしい為
一体化しています。ただ、そのままだとのっぺり感が出てしまうので、わざわざ段差を作っています。

ジャンパーの裾、ハーフパンツのポケットも膨らみを作ります。

ちょっとした事ですが、これだけで展開図は複雑さが増してしまうのですけれどね。

この他にもついでに段差を意識した所がたくさんあります。



ポーズ自体は単純なものですが、(ここなちゃんのイメージポーズがシンプルなので)

その代わり、細部のディティールでフィーリングを高めるモデルにしていきます。

ジャンパーの裾を腰骨に沿って湾曲させたり、そけい部のシワを具体的に表現したりしてます。

円柱をそのまま使ったような土管なモデルにならないように、微妙な膨らみや面の張りを意識します。

スパッツは厚手の生地なので、ひざ裏部分にはたるみも作っています。



レッグウォーマーは上から見た時に紙の裏側が見えないように織り込んで隙間を埋めています。
メリハリが付くように、靴の上部にはレッグウォーマが乗っかって出来る影を入れてあります。

なるべく、どの角度から見ても荒の見えない造形にしたいのです。




機械と違って人物を魅力のあるモデルとするには、組み立て精度や詳細なディティール再現だけではなく、
いわゆる「フェチ」と呼ばれる知識の表現が必要です。

人体は機械のようなパーツの寄せ集めではなく、複雑な変化をしながら独特の形状変化をする物なのです。



例えば、普通に土管を繋いだような人体モデリングをすると、こうしたお腹の膨らみや
ザックがお尻に乗っかったような表現にはなりません。

これは、人の体がどういう風になるのか、物を背負うとどうなるのか、

お尻のかわいい魅せ方はどうか。というフェチ知識の蓄積が重要になってきます。


こうしたポイントを我々は現実世界で日々、目にしています。

ピンときた構成要素を目に焼き付けておき、いざモデリングする時にさっと引き出せるかどうかが、
魅力的な造形ができるかどうかにかかってきます。

造形の魅力とはフェチ知識の蓄積によって成されるものなのです。

不思議な事にそれは突き詰めれば突き詰める程、地味で表現も薄くなって行くんですけれどね。

ぱっと見は全然アクセントが無いようでも、実はクローズアップするとそこには

ちゃんと仕組まれたテクニックがあったりするのですね。


まあ、昨今のフィギュア原型師的な観点からしてみれば、当たり前の事なんでしょうけど、
一生懸命やってる訳ですw




まあ、そんなこんなで、普通に出来ていると思うモデリングも結構いろんな事を考えながら

作っているモノなのです。

データが出来たところで、ペパクラデザイナーに読み込み、展開図を作成します。

さっそく、組み立てて行きましょう。



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